格安SIMをより安く利用するために、自宅でWiFiを有効利用していくことを紹介 しましたが、いざ自宅でWiFiを利用し始めたところ
思ったほど通信スピードが出ない
すぐに電波が途切れる
といった症状が出てしまうことがあります。せっかくWiFiルーターも新たに購入してきて分かりにくい設定も何とかやり切ったのに、「これはいったい何なの?」「何が原因なのかよくわからない」と思ったまま、そのままWiFiの電波状況があまり良くない状態のままで諦めてしまったりはしていませんか?
このコンテンツでは、そういったWiFiの「電波がつながりにくい」・「電波がすぐ途切れる」といった症状に対して有効な解決策となり得る中継器の導入方法について解説していきます。
WiFiルーターからの距離によってWiFiの電波は弱くなる
WiFiの電波は、WiFiルーターからの距離など様々な要因によってどんどん弱くなる特性があります。電波が弱い場所では、Webの閲覧がしにくかったり、YouTubeなどの動画再生がしょっちゅう途切れたりするような症状が出てくることになります。
ここではまず、どういった状況でWiFiの電波が弱くなるのかを説明していきます。
どういった場所でWiFiの電波が弱くなるのか?
WiFiの電波が弱くなる要因の主なものとしては以下のものがあります。
WiFiルーターからの距離
WiFiの電波はルーターからの距離が長くなるにつれて次第に電波が弱くなっていきます。これは物理現象なのでどうしようもないため、自宅が横に長いか縦に長い場合は対策が必要です。
部屋境の壁やドアなど
WiFiの電波は構造物にぶつかると弱くなる性質があります。壁やドアを通り抜けて逆側に電波は届くことは届くのですが、壁やドアを通り抜ける前と比較するとどうしても電波の強度は弱くなってしまいます。ですので、WiFiルーターを設置している場所と、実際にスマートフォンやタブレットを利用する場所の間に壁や床やドアがいくつもある場合は対策が必要です。
上記を考慮すると、ワンルームマンションとかならともかく、マンションや広い家ではWiFiの電波は部屋によってはかなり弱くなっている状況が想定されます。
具体的には例えば以下のようなケースが該当します。
マンション
マンションではWiFiルーターを設置している部屋とは逆側の部屋。例えば、南向きのリビングルームにWiFiルーターを設置しているとすると、逆側の北側の寝室や子供部屋など。
一戸建て
一戸建てで2階建てや3階建ての場合、WiFiルーターを設置していない階。例えば、3階建ての一戸建ての場合で2階部分のリビングルームにWiFiルーターを設置しているとすると、1階部分にある納戸や3階部分の寝室や子供部屋など。
WiFiの電波状況を把握しよう
WiFiの電波状況を改善するにあたって、事前準備として、自宅内のWiFiの電波状況について把握をしておきます。事前に自宅のWiFiの電波状況を把握しておくことで、このあとの電波状況を改善する際に必要となる機器の数などを見立ることができるようになり、無駄な機器を購入してしまったり、必要な数の機器を購入し損なったりということを防止することができます。
WiFiの電波状況とは?
WiFiの電波の強さはdB(”デシベル”と読みます)という単位であらわします。数字が大きいほど、電波の強度が強いことを表しています。
アプリをインストールし電波状況を把握しよう
残念ながら人間の目では直接WiFiの電波の強弱を認識することはできません。ですので、ここではITの力を利用して電波の強度を測定することにします。
具体的には、以下に挙げている無料のアプリを利用して電波の強度を測定していきます。準備できる環境によって、利用できるアプリも異なるため、それぞれの環境によって、使い分けてください。
ただ、スマートフォンをお持ちの場合は、スマートフォンにアプリをインストールしておけば、いろいろな場所に移動しながら電波の強度を測定するのに都合がいいため、お勧めです。(もちろん今どきのPCは軽いのもあるため、そういった軽いPCをお持ちの場合は全然問題ありません!)
Wi-Fiミレル
利用できる環境・・・iPhone / Android
メーカー・・・I-O DATA DEVICE, INC.
Wifi Analyzer
利用できる環境・・・Android
メーカー・・・farproc
inSSIDer 3.6.3303.0
利用できる環境・・・PC
メーカー・・・MetaGeek, LLC
こちらのinSSIDerですが、アプリのバージョンが最新版だとバージョン4になるのですが、そちらは有償のため、上記は一つ下のバージョン3の画面になっています。ただ、無償のバージョン3はマルウェアがアプリに含まれているような怪しいものも多いようなので、検索サイトで検索後にインストーラーをダウンロードする際には十分注意しながら利用するようにしてください。
念のため、TechSpotというサイトからダウンロード後、ウィルス駆除ソフトでウィルスなどに感染していないことを確認したファイルを置いておきますので、必要に応じてダウンロードするようにしてください。
inSSIDerのダウンロードはこちら
電波状況を改善する方法
自宅の中のWiFiの電波の状況が把握出来たら、いよいよ電波状況を改善していきます。改善方法としては、
いまあるWiFiルーターの設置場所を最適化する方法
中継器を新たに設置する方法
いまあるWiFiルーターが古い機種の場合、最新の機種に買い替える方法
の3種類があります。ここでは、2番目の中継器を新たに設置してWiFiの電波状況を改善する方法について説明していきます。
中継器 を新たに設置してWiFiの電波状況を改善する
中継器を導入するには
購入 → 初期セットアップ → 適切な場所に設置
という手順を踏む必要があります。それぞれについて順を追って解説していきます。
中継器 を購入する
Amazonや楽天などで中継器を検索すると、いろいろな機種・グレードのものが販売されています。どの機種を選ぶかは予算次第のところもあると思いますが、注意すべきポイントがあります。それは、WiFiルーターの性能と比較して同程度かより性能の高い機種を選ぶということです。
具体的には、
通信規格・・・IEEE802.11aとかIEEE802.11gといった規格のこと
通信スピード・・・866Mbpsとか300Mbpsといった速度表示のこと
の2つについて、中継器がWiFiルーターの性能よりも低い性能の機種を選んでしまうと、せっかくのWiFiルーターの性能が生かしきれないことになり非常にもったいないことになってしまいます。
オススメの機種をいくつか挙げておきますので、参考にしてみて下さい。
WEX-1166DHP
メーカー・・・バッファロー
主な特徴
ハイパワータイプで、安定した高速通信が可能
【WiFiルーターとの接続 → 中継器】に利用する周波数 と
【中継器 → スマートフォン】に利用する周波数
を、別々の周波数帯にすることでWiFiでの通信スピードの低下を抑制
高速通信規格の「11ac」にも対応
※スマートフォン側も「11ac」の通信規格に対応している必要有。
可動式のアンテナにより、電波をより強めたい方向を細かく調整が可能
指向性を持った電波の飛ばし方が可能
コンセント直挿し方式と延長コードによる差し方も可能(延長コードを利用するときのために、中継器を固定するトレイが標準で付属します)
コンセント直挿しの場合は、2口あるコンセント口のうち、中継器を挿していない側のコンセントには干渉しない設計
WPSボタンを利用した簡単初期セットアップ
WEX-733D
メーカー・・・バッファロー
主な特徴
【WiFiルーターとの接続 → 中継器】に利用する周波数 と
【中継器 → スマートフォン】に利用する周波数
を、別々の周波数帯にすることでWiFiでの通信スピードの低下を抑制
高速通信規格の「11ac」にも対応
※スマートフォン側も「11ac」の通信規格に対応している必要有。
コンセント直挿しの場合、2口あるコンセント口のうち、中継器を挿していない側のコンセントには干渉しない設計
WPSボタンを利用した簡単初期セットアップ
RE200
メーカー・・・TP-Link
主な特徴
【WiFiルーターとの接続 → 中継器】に利用する周波数 と
【中継器 → スマートフォン】に利用する周波数
を、別々の周波数帯にすることでWiFiでの通信スピードの低下を抑制
高速通信規格の「11ac」にも対応
※スマートフォン側も「11ac」の通信規格に対応している必要有。
コンセント直挿しの場合、2口あるコンセント口のうち、中継器を挿していない側のコンセントには干渉しない設計
WPSボタンを利用した簡単初期セットアップ
大手通販サイトで2000円台からの低価格
MZK-EX750NP 忠継大王
メーカー・・・PLANEX
主な特徴
高速通信規格の「11ac」にも対応
※スマートフォン側も「11ac」の通信規格に対応している必要有。
コンセント直挿しの場合、2口あるコンセント口のうち、中継器を挿していない側のコンセントには干渉しない設計
中継器そのものにコンセントの差し込み口が用意されているため、コンセントの差し込み口の数を減らさずに利用が可能(上記写真の犬の顔の目の部分がコンセントの差し込み口となっている)
WPSボタンを利用した簡単初期セットアップ
中継器 の初期セットアップ
最近の中継器はほとんどの機種でWPSボタンを備えているため、初期セットアップはそれほど難しくありません。WPSボタンを利用したセットアップがどうしてもうまくいかない場合には、直接中継器にログインしてセットアップすることもできますので、いざとなったらそちらも試してみてください。
セットアップ手順
STEP1 中継器を、WiFiルーターが設置してある場所の近くのコンセントに差します。
STEP2 中継器のWPSボタンを5秒程度押し続けます。こうすると、中継器のWPSに関するLEDが点滅し始める機種が多いです。
STEP3 WiFiルーターのWPSを5秒程度押し続けます。こうすると、WiFiルーターのWPSに関するLEDが点滅し始める機種が多いです。
STEP4 しばらく待つと、中継器にある、WiFiルーターと接続完了したLEDが点灯します。これで、中継器とWiFiルーターの接続は完了です。
tips!!
仮に、中継器かWiFiルーターのいずれかにWPSボタンが無く、セットアップを終えられない場合は、以下の手順で直接中継器にログインしてセットアップを行ってください。
・中継器をコンセントに挿す。
・しばらく待ったのち、パソコンのインターネットエクスプローラーを起動し、URLを記入する欄に中継器のIPアドレスを指定する。そうして、中継器のログイン画面にアクセスする。(中継器のIPアドレスは、中継器のマニュアルに記載されていますので、それを参照しながら入力します。)
・ログイン画面では、IDとパスワードを入力する必要があるため、中継器のマニュアルを参照しながら入力します。)
・ログインするとWiFiルーターのSSID(識別名)を指定することができる画面が表示されるため、その中から、接続したいSSIDを指定する。(マンションなどの集合住宅では、自宅のWiFiルーター以外にも他の家のWiFiの電波が飛び交っている可能性があります。自宅のWiFiルーターのSSID(識別名)については、WiFiルーター側面か底面に記載されています(SSIDが記されたシールが貼られています)ので、そちらを参照してください。)
・設定内容を保存します。
中継器 をベストな場所に設置する
STEP5 あとは、中継器を、実際に設置したい場所のコンセントに差し替えれば、すべてのセットアップ作業は完了です。(コンセント差し替え後は、特にボタンの操作などは必要ありません。コンセントに差しただけでしばらく待つと、自動的にSTEP4で点灯したLEDが再度点灯し始めます。)
どのコンセントに中継器を挿すかについては、事前に調査しておいたWiFiの電波状況に従って挿していきましょう。
事前に調査できていない場合は、中継器自体でもLEDの表示(電波状況の強弱によって、LEDの点灯数が変化したり、LEDの点灯状況が変化したりします)でWiFiの電波状況が分かるようになっています。それを参考に設置しても良いでしょう。
(中継器のLED表示でWiFiの電波強度を確認するためには、中継器に通電する必要がありますので、WiFiの電波強度を測定したいそれぞれの場所で都度コンセントに中継器を挿す必要があります)
LED表示例
LEDの点灯数で表現されている場合
電波状況 弱 → 中 → 強
点灯数 1つ点灯 → 2つ点灯 → 3つ点灯
LEDの点灯状況で表現されている場合
電波状況 弱 → 中 → 強
点灯状況 消灯 → 点滅 → 常時点灯
まとめ
WiFiルーターを利用すると、自宅での通信状態を安定させ、またキャリヤや格安SIMで毎月カウントされるデータ利用量を大きく減少させることができるようになります。
ただ、WiFiルーター単体では電波の届く範囲には限度があるため、自宅が広い場合にはWiFiの電波状態にムラが生じてしまいます。
本コンテンツでは、そんなムラが生じた電波状態を改善する手法の一つとして中継器を利用しての方法を解説してきました。
自宅での快適なWiFi利用に向けて少しでもお役に立てれば幸いです。